JR九州、「流れ星新幹線」で復旧を願う

2021年3月12日は、JR九州の九州新幹線全線開通10周年の記念日でした。
現在、JR九州の新幹線は博多駅~鹿児島中央駅間を走っています。
九州新幹線の歴史をさかのぼると開業は2004年3月13日。
この時は熊本県の新八代駅から鹿児島中央駅までの九州の南方を走る新幹線でした。
博多駅から鹿児島に向かおうとした場合、新八代駅までは787系による「特急リレーつばめ」にのり、新八代駅で「九州新幹線」に乗り換えるという流れでした。
ちなみに、九州新幹線の開業と同時に在来線の線路は第3セクターの「肥薩オレンジ鉄道」が引き受け八代駅~川内駅は肥薩オレンジ鉄道区間となっています。
2004年の開業から7年後の2011年3月12日。
遂に博多駅から鹿児島中央駅まで全線開通しました。
同時に「特急リレーつばめ」は廃止。
「つばめ」の名称は九州新幹線に引き継がれました。
この10周年を記念してJR九州が企画したものがみんなの願いごとを乗せて新幹線を走らせようという「流れ星新幹線」でした。
1.流れ星新幹線が走る!!
目次
3月14日(日)一夜限りで乗客を乗せずに願い事を乗せて「流れ星新幹線が走る」と発表されました。
同時に、コロナ禍で自由にやりたいことや行きたい場所へ行くことなどが制限される中、自由に願い事を語ってほしいと願いごとの募集もありました。
(願いごとの投稿)
長男と願い事を投稿しました。
- はたらくさいぼうの、はっけっきゅうになりたい。(はたらく細胞というアニメの白血球みたいになりたい)
- たいまどらまのあけちになりたい。(大河ドラマの明智光秀になりたい)
- おおきなすべりだいにいきたい。(大きな滑り台に行きたい)
もし、皆さんが今、流れ星にお願いごとをするとしたら、どんなことをお願いしますか??
2.流れ星新幹線運行日3月14日
運行当日の2021年3月14日は筑後船小屋駅前の公園で、イベントが開催されました。YouTubeでライブ中継されており、その様子を見た時、あまりの美しさに言葉を失いました。
まさか新幹線が光り輝きながら虹色に光りながら走るなんて誰も予想できなかったと思います。
夜空に輝く新幹線はまさに流れ星でした。こんな新幹線見たことがありません。
Twitterにも次々と感動を伝えるツイートが増え、目にした人たちが感動に包まれたのは間違いありません。
この流れ星新幹線を目にしたことで、私は叶えたい夢や願いごとは何だろうと自分と向き合うようになりました。
一度きりの人生で私が人生に満足しているかというと、していない。
なぜか?
本気で自分の夢と向き合ってこなかったから。
ようやく目が覚めました。
3.「流れ星新幹線」に会いにいきました。

3月14日の一夜のみ乗客を乗せずに光り輝きながら九州を南から北へ走った流れ星新幹線。
その後は、壁面に全国から寄せられた願いごとをラッピングして約3カ月ほど、通常の新幹線として走行していました。
流れ星新幹線の壁面に書かれた願いごとを見た時の衝撃は忘れられません。
肥薩線沿線、くま川鉄道の復興を願うものやコロナウィルスの終息を願うもの、将来の夢を語るものなど、込められた思いを想像すると胸がいっぱいになりました。
今JR九州は運休区間として日田彦山線と肥薩線の二つの路線を抱えています。
このうち、日田彦山線は鉄路での復旧を断念し、バスを走らせることが決定しました。もう線路に列車が走ることはありません。
肥薩線はどうなのか?2020年7月の豪雨被害から一年が経ちました。
未だ白紙です。
肥薩線で有名な観光列車、「sl人吉」は人吉駅にある転車台で先頭車両の方向転換を行い、熊本方面へ向きを変えていました。
九州で見ることが出来るのはここだけでした。
再び、この転車台でターンする姿を見たい。蒸気を上げながら球磨川にかかる鉄橋を走る姿を見たい。
一日も早く復旧が進むことを願っています。
4.願いごと集を太宰府天満宮で閲覧できます。

全国から寄せられた願いごとは願いごと集として一冊の冊子にまとめられ、3月14日に一夜限りの流れ星新幹線に乗って九州を駆け抜けました。その後は太宰府天満宮に奉納され、閲覧することが出来ます。
他の方の願いごとを目にすることで自分だったらどんな願いごとがあるかな、、と自分を振り返るきっかけにもなります。さらに子どもたちや学生さんたちの願いごともあり、応援したい気持ちにさせてくれます。
閲覧できる場所は、太宰府天満宮の祈願待合所です。本殿を正面に左側に目を向けると祈願待合所があります。
こちらにポスターと共に置いてありますので、太宰府天満宮にお越しの際は是非、こちらもご覧ください。2021年12月末まで設置予定とのことです。

手に取って表紙を開くと1ページ目には代表者3名の連名のメッセージがありました。

未来を明るくするのは、私たち一人一人の念いだ。
おもいを「念い」と表現してあるところに強いメッセージを感じます。
鉄道界にとって試練の年となった2020年。
厳しい状況は続きますが、風光明媚な車窓を楽しむことが出来る路線が多い九州の鉄道の灯がいつまでも輝くように魅力や復旧支援情報を発信していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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